ケーブルテレビ(CATV)会社がテレビの地上デジタル放送を顧客に配信する「再送信」サービスで、違法行為が相次ぎ発覚している。長野県では届け出ていない施設での送信が明らかになったほか、静岡県でも同意を得ずに送信していた事実などが明らかになった。総務省は現地企業への説明会を開き、ルールを改めて周知徹底する方針だが、小規模企業が乱立するCATV業界への対応の難しさが浮き彫りになった。
再送信は、テレビ放送をCATV事業者などが受信し、有線網を介して視聴者に送信する制度で、CATV会社は番組を制作するテレビ局から同意を得る必要がある。ここ数年は、キー局の放送を地方に送信する「区域外再送信」と呼ばれる手法をめぐり、地方局の経営に悪影響が出るなどとして民放側が再送信に同意しないケースがあった。ただ、複数の事例でCATV事業者側が総務相に裁定を求め、送信が認められていた。
しかし、昨年12月、総務相裁定を申請し、その後、テレビ局側から再送信への同意を取り付けていた長野県の「LCV」と「テレビ松本ケーブルビジョン」が、総務相に申請していない都内の施設を利用して再送信を行っていた事実が発覚した。
長野県内の施設で送信ができなかったことが理由としているが、県内施設で送信できることを前提に同意を取り付けていながら、その前提自体が虚偽だったことが判明した。さらに2月には、静岡県内の3事業者でも、テレビ局の同意を得ていない施設で再送信を行ったり、一部は同意なしに再送信していた事実が明るみに出た。
いずれのケースも行政処分が行われており、静岡では3月下旬に総務省の地方局がCATV事業者向けに、ルールを周知させる説明会を実施する計画だ。
ただ、ルールの周知徹底は簡単ではない。CATV事業者は、再送信だけを行う小規模の企業や組合を含めると、全国で約7万存在する。静岡県で問題が発覚した伊豆地方にも、150余りの組合や企業があると推定されているが、大半は業界団体に加盟せず、「違法行為を行っているかどうか、調べがつかない」(静岡県ケーブルテレビ協議会)のが現状だ。
キー局番組の地方への再送信は、地方のテレビ局の収益に大きな影響を与えかねない。違法行為が続けば、テレビ局側が再送信への同意を行わなくなる可能性もあり、CATV業界は、困難な課題を突きつけられている。
3月7日8時32分配信 フジサンケイ ビジネスアイ




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