『探偵ガリレオ』(たんていガリレオ)は、東野圭吾が1998年5月30日に文藝春秋より刊行した推理短篇小説集。連作ミステリーとしてシリーズ化されており、第3作の『容疑者Xの献身』は第134回直木三十五賞を受賞している。
2007年10月よりテレビドラマとして放映。ドラマ化発表時点でシリーズ全体の発行部数は約160万部であったが、その後売上を伸ばし2007年10月現在では発表時点の公表より大きく上回り約280万部になる。 2008年秋にテレビドラマの続編として同キャスト・スタッフにより物理学者湯川シリーズ第3作『容疑者Xの献身』が劇場公開予定。題名はガリレオではなく原作の題名で公開される予定である。
天才物理学者・湯川学が、大学時代の友人である刑事草薙俊平の依頼を受けて、一見超常現象とも取れる不可解な事件を科学によって解決していく。また、シリーズ第2作以降は論理的な推理によって、解決するものもある。作者が理系出身であることを生かし持っている知識をフル活用して書いた作品で、検証こそされていないが原作中に登場するトリックはすべて理論的には可能なものである。
古くから推理小説においては、「世間において、あまり一般的ではない科学技術を駆使したトリックは使用しない」という暗黙の了解が存在する(トリック#トリックにまつわる暗黙の了解)が、本シリーズではこれを意図的に破っている。
2007年10月15日より、フジテレビ系列で、毎週月曜日の21:00~21:54(JST、通称「月9」枠)に、『ガリレオ』としてテレビドラマ化される。全10話。原作には『探偵ガリレオ』のほかに、『予知夢』のエピソードも用いらている。原作中では湯川の相方は草薙であるが、ドラマでは女性刑事の内海薫が相方を務める。なお、当初はそのまま『探偵ガリレオ』のタイトルでドラマ化される予定であった。事件は一話完結だが恋の話などは続いている。
主演の福山雅治は「美女か野獣」以来4年半ぶりのドラマ出演である。 発生する事件・現象およびその仕掛けや解明方法は原作に順ずる一方、各登場人物の設定は大きく原作と異なっているのが特徴。
また福山はプロデューサーの鈴木吉弘の要望を受け、本作の音楽を担当する。主題歌も柴咲をプロデュースして、「KOH+(コウプラス)」としてユニットを組む。
なお、月9で事件モノのドラマが新規制作されるのはHERO以来実に6年ぶりである。
キャッチコピーは、「嘘を突く 謎を解く」。
フジテレビとしては初の、番組公式コミュニティサイト「ガリレオ研究室」も公式サイト内に設置されている。
[編集] 登場人物・キャスト
[編集] メイン
湯川学(36歳) - 福山雅治
帝都大学理工学部、物理学科准教授・第十三研究室配属。頭脳明晰でルックス抜群。女子学生に人気があり、その講義には女子学生が前列に殺到している。学生時代の同期で今も友人である草薙や研究室の学生は彼のことを「変人ガリレオ」と呼んでいる。
「全ての事象には理由がある」との信念を持ち、「理屈が通じない」との理由で子供が嫌い。捜査において子供と会話をする事さえ厭い、第2話では無理して子供と見つめ合った為に蕁麻疹を発症する。
スカッシュやクライミング、アーチェリーなどのスポーツもこなすが、これらも数学的、理論的に解釈しようとする。
口癖は「実に面白い」。また、あまりにも自身の範疇を越えた高度な未解明トリックの前には「さっぱりわからない」等と言い突如笑い出すなどの奇人ぶりも発揮されるが、完全に行き詰ってしまうと頭を抱えパニックになっているような描写も見られる。また、自分の中で全ての謎が氷解した際にはチョーク、石など目の前にある道具を筆記具として使いトリックの証明式と思われる方程式を記述している。
内海薫(27歳) - 柴咲コウ
貝塚北署の女性刑事。交通課時代に痴漢65人を逮捕した実績を持ち、草薙に憧れて捜査課に転属してきた新人。草薙の紹介で湯川に捜査協力を求めるが、「刑事の勘」で動くため理屈で動く湯川に歯が立たない。
[編集] 貝塚北警察署
草薙俊平(36歳) - 北村一輝
貝塚北署に勤務していた刑事。「田園調布ねずみ男事件」「蒲田念力殺人事件」「羽田空中浮遊事件」などの難事件を解決し、第1話の人体発火事件翌日に本庁(警視庁)に栄転した。内海からは「ミステリーハンター」と呼ばれて尊敬されている。内海に対して「事件を解決したのは湯川」と告げ、湯川の協力を得るように助言する。ドラマでは女受けがいいという設定。
弓削志郎(31歳) - 品川祐(品川庄司)
草薙の後輩で、内海の先輩にあたる。原作では勘のいい刑事だったが、ドラマでは「勘の良さ」は見られない。
城ノ内桜子(38歳) - 真矢みき
美人監察医。死体を見た刑事の面々が気分を悪くする中、一人でケロッとしているなど豪胆なところがある。湯川が草薙の捜査に協力していたことは、草薙本人から聞いて知っていた。第四話で湯川と会うと、外部からの心臓麻痺を実践させる方法についての話で盛り上がっていた。
[編集] 帝都大学理工学部
栗林宏美(45歳) - 渡辺いっけい
帝都大学での湯川学の助手。湯川が警察の犯罪捜査に協力することを快く思っていない。湯川が大学に入る前から20年以上助手を続けている。第四話で湯川が教授クラスへの昇進は難しいと陰で言ったのを聞いてしまい、深く落ち込んだ。
村瀬健介 - 林剛史
湯川ゼミに所属する学生。第3話に登場した神崎弥生の弟。湯川は弥生の件で彼が動揺し、結果的に湯川自身の研究に支障をきたすことを恐れ、内海に捜査を依頼する。
小淵沢隆史 - 福井博章
森英太 - 伊藤隆大
渡辺美雪 - 高山都
谷口紗江子 - 葵
湯川ゼミに所属する女子学生。アーチェリー部の長谷部(弓削智久)という学生と交際しており、第5話では彼との結婚のことで湯川に相談を持ちかける。