強い米経済指標受けてドル買い加速120.47円
「強い米経済指標受けてドル買い加速120.47円、原油4日続落62.75ドル」ニューヨ
ーク外為市場概況 2007年5月4日(金曜日)-株式会社フィスコ 平松京子/片山
善博
[ニューヨーク外国為替市場概況]
*06:28JST 「強い米経済指標受けてドル買い加速120.47円、原油4日続落62.75ドル」
【ロンドン市場概況】
3日のロンドン外為市場では、米国の経済指標の発表待ちで全体的に小動きとなっ
たが、ドル・円は利食いとみられる売りに120円20銭から一時119円97銭まで下落
し、ユーロ・円も163円58銭から163円34銭まで下落した。ユーロ・ドルは1.3603ド
ルから1.3614ドルで、ポンド・ドルは1.9916ドルから1.9939ドルで、ドル・スイス
は1.2099フランから1.2118フランで取引された。
【経済指標】
ユーロ圏・3月生産者物価指数:前月比+0.3%、前年比+2.7%(前月比予想+0.3%、
2月+0.3%、前年比予想+2.8%、2月+2.9%)
英・4月サービス部門PMI:57.2(予想57.5、3月57.6)
【要人発言】
スペイン中銀
「ユーロ圏の金利は緩和的」
【ニューヨーク市場寄付】
ドル・円:120円15銭、ユーロ・ドル:1.3613ドル、ユーロ・円:163円54銭、ポン
ド・ドル:1.9938ドル、ドル・スイス:1.2108フラン
【ニューヨーク市場概況】
3日のニューヨーク外為市場では、ドル・円は予想以上の賃金コストの伸び鈍化を
受けたインフレ抑制観測に伴う債券利回り低下に一旦120円04銭へ弱含んだが、その
他の強い米経済指標を受けた利下げ観測の後退に従い利回りが上昇に転じたことか
ら120円47銭まで上昇し、ほぼ高値120円40銭前後で引けた。
ユーロ・ドルは一旦1.3625ドルへ上昇後、米金利上昇に伴う中銀筋などの売りに
1.3547ドルまで反落し、1.3550ドル前後で引けた。ユーロ・円はファンド筋主導の
利食いに163円56銭から163円13銭まで反落。ポンド・ドルは1.9947ドルへ上昇後
1.9856ドルまで反落し、ドル・スイスは1.2094フランから1.2172フランまで上昇し
た。
【FF先物米金利変更織り込み率】
6月までの利下げ確率:6%←8%
9月までの利下げ確率:20%←30%
年内の利下げ確率:74%←92%
【原油市場】
原油相場は4日続落し、約2週間ぶりに62ドル台をつける。昨日発表された在庫統計
において製油所稼働率の上昇と共に原油在庫が4ヵ月半ぶりの高水準に増加している
ことが明らかになり、“ガソリンなどの石油製品の供給は今後拡大する”との見方
を背景に売りが継続した。また、3日に発表されたブルームバーグ社調べによる4月
のOPEC産油量(12カ国分)が前月を上回る水準となり、引き続き生産枠を超えた水
準での原油供給の継続が示されたことも売り材料となった。NY原油先物価格は4/20
以来の安値水準62.75ドルまで続落し、安値圏63.19ドル(前日比-0.49ドル、-
0.7%)で取引を終えた。
【株式市場概況】
NY株式市場は上昇。1-3月期の労働生産性が予想を上回る伸びとなったほか、
ISM非製造業指数や新規失業保険申請数など相次いで好調な経済指標が発表されたこ
とを好感して、終日堅調な展開となった。セクター別では、運輸や電気通信サービ
スが上昇する一方で自動車・自動車部品や家庭用品・パーソナル用品が下落。予想
を上回る決算を発表したソフトウェアのシマンテック(SYMC)が上昇。また動画配信
などのリアルネットワークス(RNWK)も好決算を発表して8.7%高となった。一方で
不動産担保証券(MBS)の取引で損失を被ったことを理由に、社内のヘッジファンド
部門を閉鎖することを明らかにしたUBS(UBS)が3%安。ダウ構成銘柄では、ベライ
ズン(VZ)が特許侵害でIP電話のボーネージ(VG)を訴えていた問題で、ボーネージ
による再審理請求が却下されたことを好感して上昇。一方でGM(GM)は住宅金融部門
の損失で四半期決算が大幅に下回り売られた。結局ダウは29.50ドル高の13241.38、
ナスダックは7.62ポイント高の2565.46で取引を終了した。大型株で構成される
S&P500指数が節目となる1500ポイントを上回ったほか、ダウ平均も1929年以来とな
る25営業日中22日間(88%)の上昇を記録している。
【通貨オプション】
オプション市場では、じり高推移を受けたリスクの後退に伴う売りが優勢とな
り、1週間物変動率は7.275%から6.875%へ低下するものの、来週にFOMC控えるなど
イベントリスクに短期物での押し目買い意欲は強い。期日物は、1ヶ月物は6.950%
から6.900%、3ヶ月物は6.975%から6.875%、6ヶ月物は6.975%から6.900%、1年
物は7.000%から6.900%へそれぞれ縮小した。リスクリバーサルは、連日高値を更
新する上昇相場を受けて円先安観が強まり、円コール買いが後退した。25デルタ円
コール・ドルプット1ヶ月物は+1.400%から+1.250%、3ヶ月物は+1.400%から
+1.350%、6ヶ月物は+1.475%から+1.425%、1年物は1.625%から1.575%へそれぞ
れ縮小した。
【経済指標】
米・第1四半期非農業部門労働生産性速報値:前期比+1.7(予想+1.0%、前回+2.1%
←+1.6%)
米・第1四半期単位労働コスト速報値:前期比+0.6%(予想+4.0%、前回+6.2%←
+6.6%)
米・週次新規失業保険申請件数:30.5万件(予想32.5万件、前回32.6万件←32.1万
件)
米・4月ISM非製造業景気指数:56(予想53.0、3月52.4)
【要人発言】
ユーロ圏年次報告
「07年経済見通しは過去数年より明るい。輸出回復が成長の後押し」
「力強いユーロ圏国内需要、輸出は継続する見通し」
「企業投資、個人消費の回復により、内需は力強い勢いが続く予想」
「明確な循環景気の回復基調にあり、力強い回復」
「ユーロ高が欧州輸出に与える影響はほとんどなかった」
「為替相場、世界不均衡、地政学的リスクが成長のリスク」
「金融の安定に対するリスクを回避すると共に、保護貿易主義的を最小限に留める
ため、不均衡是正を確実にする事が重要」
「為替相場は経済のファンダメンタルズを反映すべき。無秩序な為替レートの動向
は望ましくない」
「新興市場諸国については、特に中国など、大規模な経常黒字が拡大しつつある諸
国では、効果的な為替レートの動きが望ましい」
アルムニア欧州委員会委員
「インフレは引き続き抑制」
「為替に関してはG7声明の文言を踏襲する」
「対ドルでのユーロ上昇は重要でなし」
「クロスの相場をみると、ユーロは歴史的トレンドを若干上回っている」
「現在のところ、ユーロ高は、経常収支を均衡に向かわせプラスの影響」
「将来、過剰な変動に懸念」
クワデン・ベルギー中銀総裁
「ユーロ圏13カ国の経済成長は引き続き力強い」
「中銀はインフレリスクを評価する必要がある」
米連邦準備理事会(FRB)関係者(WST)
「米国のインフレを一段と低下させるには、エネルギー価格の上昇、ドル安、失業
率が予想に反し上昇しないことなど、さまざまな障害」
ポールソン米財務長官
「中国は人民元改革を更に速やかに行う必要がある」
「中国の成長において国内需要の役割は小さい」
「中国への主要メッセージは、改革のスピード加速」
「中国に関し実態のある結果が必要」
「対中での貿易赤字の縮小を望む」
【東京市場終値-ニューヨーク市場終値】
為替市場: (始値) (高値) (安値) (終値)
ドル・円 120.14 120.47 119.97 120.44
ユーロ・ドル 1.3609 1.3625 1.3547 1.3550
ユーロ・円 163.51 163.60 163.13 163.19
ドル・スイス 1.2107 1.2172 1.2094 1.2161
ポンド・ドル 1.9928 1.9947 1.9856 1.9869
株式市場:
NYダウ 13206.65 13246.82 13196.03 13241.38
ナスダック 2561.31 2569.80 2555.84 2565.46
債券市場: (始値) (終値)
米国債 2年物 4.641 4.695
米国債10年物 4.642 4.674
米国債30年物 4.815 4.839
先物市場:
NY金先物 677.2 685.2 675.8 684.4
NY原油先物 63.55 63.55 62.75 63.19
シカゴ日経平均先物 17560 17615 17520 17595
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5月4日6時31分配信 フィスコ