新車のときは同じ位の価格だったクルマ同士でも、Uカーになると人気によってずいぶん差がついてきます。かしこい選び方は。

ほしいクルマの原価はいくら?

中古車選び、成功と失敗

 免許を取って以来、9台のクルマを乗り継ぎました。カーセンサー編集部には僕と同い年くらいなのに40台以上のクルマ遍歴を誇る猛者が複数いたりしますが、9台というのもまあ世間的には多いほうでしょう(そのうち三菱とシトロエンで7台、というあたりは問題!?)。

 9台のうち中古車は7台。正直に告白すれば当たりもあればハズレのクルマもありました。ガイド交代後の第1回目はカーセンサー馬弓の中古車選びの成功と失敗を通じて、みなさんに貴重な(?)教訓を学び取っていただければと思っております。

 今まで買った中古車で一番の成功は4ヶ月前まで乗っていた97年型シトロエンエグザンティアブレーク。

99年に1.1万キロの個体を180万円で購入、いたく気に入り6年で9万キロ乗ってしまいました。

エグザンティアがいかにいいクルマだったかを書き始めると止まらないし、本稿の趣旨とは外れてしまうので今回はやめます。

 さて、この車種が成功だったと思う最大の理由は高年式低走行なのに新車(360万円)の半額だったことです。

なぜそんなに安かったのか?人気の高いメルセデスベンツや一部のスポーツカー、流行のSUVは例外ですが、シトロエンに限らず多くの輸入車は新車から1~2年でけっこう値落ちします。

不人気ではなく普通くらいの人気のクルマですら、試乗車上がりの3000キロくらいの物件でも諸費用も含めれば2割近くお買い得な値付けがされていることもあります。

ところが3年目以降、多くの場合値落ち幅は緩やかに。

流通量は少ないし絶対額もしますが、程度のいい中古車を割安に手に入れるなら新車から2年以内の物件はねらい目です。

 さらに私が購入したエグザンティアは、ディーラーではなく小さな専業店が売り出していた物件でした。

ディーラーだと保証や安心感と引き換えに1~2割高めな値付けです。

輸入車、それもイタリア・フランス系の車種となれば故障が心配な方も多いと思いますが、僕の場合、95年型エグザンティアが4年で6万キロを何事もなく走りきっていたこと、物件が1.1万キロしか走っていなかったことなどから、あまり心配はしていませんでした。

 1~2年落ちなら新車保証(当時のシトロエンは2年、現在は多くの輸入車が3年)も継続している場合が多いですしね。実際エグザンティアは6年間大きな故障もなく、現在も次のオーナーのもとで元気に走っています。

 ちなみにボディカラーが「ルージュエルメス」というステキな名前にもかかわらず、新車時は不人気だったソリッドの赤ということも安かった理由。

色に関しては好みがあるので安いからということだけで選ぶ人は少ないと思いますが、一般的なモデルの場合赤やグリーン、水色などは割安感があります。

 ただマニアックなクルマだと事情は若干異なってきます。エグザンティアも新車時はシルバーと濃紺あたりが人気でしたが、エンスー的人気が出て以降は希少な白や赤のほうが値は高く、その意味でもお得でした。

まあエンスー人気が盛り上がるのはたいてい登場後10年くらいしてからなので、それまで乗ったからお得だったわけですが。

 安かったこと以外にもこのクルマには「成功のカギ」がありました。前期型最終なので装備や走りが熟成されていたのです(厳密に言うと前期型エグザンティアブレークは98年まで存在しますが中身はほとんど一緒)。ダブルエアバック、サンルーフといった後付できない装備が97年型には付いていました。

 ちなみに僕がこのクルマを買う直前の98年末に、エグザンティアにはエンジンもオートマも刷新された後期型が登場しました。評論家のみなさんの評価は後期型が高いのですが、個人的にはギクシャクする新オートマとカラーバンパーが気に食わなかったので、半額で手に入る前期型で満足でした。これは他の車種でも同様のことがいえると思います。

 エグザンティアは最もうまくいった例といえども、中古車選びの成功には、以下のようなことが言えると思います。

●新車から2年以内の車種

●店や色は、ある程度見切ってしまう

●型式によっての人気・不人気を見極める

 それでは、みなさんお待ちかねの失敗編です。自分では失敗したとは思っていないのですが、他人に言わせると「ソレハ失敗デハナイデスカ?」となるクルマのお話です。

昨年安さにつられて買った95年型メルセデスベンツE320T。

旧旧型Eクラスワゴン、いわゆるS124の最終型。当時カーセンサーに異動になったばかりで「ベンツに乗らずしてクルマを語るなかれ」と先人に言われ個人売買で入手しました。

10万キロ目前の個体だったのですが、「最終型だし大丈夫だろう」と思っていたら、それはそれは壊れました。まず陸運局で名義変更した20分後に点火コイルが壊れ、2気筒死亡。

調べてみたら電気系上部ハーネスもボロボロ、エンジンのオイルシールからはオイルがボタボタ、ついてきたAMGレプリカの17インチホイールは1本歪んでいるし、ダンパーも抜け気味。マフラーは錆だらけで今にも崩れそう。

もちろん買う前にチェックや試乗はしたものの、チェックが甘かったのです。

純正ホイールでなかった段階で疑うべきでした。言い訳するなら外観とか内装はキレイだったし、最終型だし、譲ってくれた人も善良そうな方だったので、目が曇ったのかもしれません。

中古車選びの基本である実車チェックを怠ってはいけません。

 「消耗品さえ交換すれば昔のベンツはいつまでも乗ることができる」とは都市伝説のようにクルマ好きの間で語られている話。

シトロエンを持って以来、クルマに手をかけるのは嫌いじゃないし、むしろ壊れなかったエグザンティアなんかは「過剰整備」していたくらい。

そんな僕でさえ、ベンツさんは「消耗品」の範囲がずいぶん広いのぉ、と嫌みのひとつも言いたくなりました。電気系ハーネスが10年でイカれるか?ただ、ベンツの場合124くらいまでなら部品を格安で輸入してくれる業者が複数あります。

腕のいい(かつ適正な料金の)修理工場さえ知っていれば、少しずつ直してオリジナルの味を取り戻すという、中古車ライフの王道の楽しみを存分に味わえるクルマです。いろいろ直したうちの124は確かにシャキっとしました(30万円くらいかかりましたが......)。

ここからが今回の本題です。

僕が個人売買で手に入れたS124は、定評ある専門店がきっちり手を入れて売っている低走行車(と言っても5万キロ以上が主流)を買うより50万円くらい安かったのです。

実車チェックを怠った最大の言い訳です。走行距離が伸びていることの不安は徹底した整備と部品交換で乗り越えました。むしろ新品の部品が入った分、「良質な中古車」より割安で「良質車」になったと思います。

でもそれは安価な部品供給ルートを開拓したこと、良心的で腕のいい工場を知っていたこと、そして人生の貴重な時間の一部をそういった行為に割り振る情熱(もしくはヒマ?)があったからこそ可能になったとも言えます。

124の部品交換&整備を、誰もが簡単に頼める場所、つまりディーラーで行ったら多分、倍の値段になっていたでしょう。

だから、人によっては失敗になってしまいます。つまり、安い理由を知りながら中古車を購入するということは、それなりの気概がいるということです。

あなたは人生の貴重な時間をクルマの整備時間に充てることができますか?「はい」と言う方は、失敗しないでしょう。「いいえ」という方は、まず実車チェックをしましょう。

後々になって捧げる時間と金額を考えれば、購入時に時間をかけることはなんら損はありません。むしろ、かなりの必要なことでしょう。


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