(地上デジタル放送FAQ)
2007年11月現在の地上デジタル対応テレビ(デジタルを見ているかどうかは不明)の普及台数は、総務省の公式発表で2400万台。全国には1億2000万~3000万台のテレビがあるといわれているので、あと1億台ぐらいアナログが残っている。
テレビの生産台数は、ずっと年間1000万台前後。そのうちアナログテレビがデジタルに置き換わるだけなので、かりにこれから売れるテレビがすべてデジタルになるとしても、あと4年で4000万台。つまり、もっとも楽観的に予測しても、2011年の段階で5000万台のアナログテレビが残る。これほど大量のテレビを政府が人為的に「粗大ゴミ」にする政策が許されるだろうか。
本当に停波したら、吉田望氏もいうように大量の「地デジ難民」が発生するだろう。しかも、この段階で残っている視聴者は年金生活者や独居老人などの「社会的弱者」で、テレビが災害情報などの唯一のライフラインになっている人が多いだろう。
「デジタル・デバイド」の解消を政策に掲げている総務省が、弱者のテレビを強制的に見られなくしたら、社会的批判を浴びることは必至だ。また実際に停波したら、テレビの視聴者は半減するので、広告単価も大幅に引き下げられ、テレビ局の経営は悪化する。2009年に停波する予定のアメリカでは、テレビ局が停波に反対するロビー活動を行なっている。
特に参議院の第一党が民主党で、次の総選挙では民主党が政権を取る可能性が高いなかで、そうした「弱者切り捨て」は政治が許さないだろう。
民主党は、地デジへの国費投入には、もともと批判的だったので、政権をとったら「停波は自民党政権のとき、国民に十分説明しないで決めたことだ」といって停波の延長を求めるのではないか。また視聴者から「放送中止は財産権の侵害だ」として集団訴訟が起こされる可能性もある。



