「騒ぎ過ぎ」とタカくくっている人も多いけど…
水際があっけなく突破され、日本に上陸した新型インフルエンザ。関西を中心に渡航 歴のない感染者が続々確認され、不安に駆られている人も多いはずだ。しかし、こんなときにこそ冷静になることだ。それには新型インフルエンザに関する正確 な知識と情報が不可欠。4年前からウェブサイト「鳥及び新型インフルエンザ海外直近情報集」を主宰するなど、早くから新型インフルエンザの脅威を警告して きた小樽保健所元所長の外岡立人氏に聞いた。
●今回の新型は弱毒性。どうして大騒ぎするのか?
「確かに現時点で、マスクに防護服の係官が、航空機内を物々しく検疫する日本はトンチンカン。私も無駄な大騒ぎだと思います。いまの新型インフル エンザは弱毒性で、感染力も超強力ではありません。メキシコでは患者の発生は落ち着いてきており、新たな死者も多くはないようです。ただし、秋以降となる と、話は別です」
●被害予想はどう考えられているのか?
「1957年のアジア風邪では日本で5000人以上が亡くなりました。最大でこのアジア風邪程度の被害になるのでは、と予想する専門家は少なくあ りません。インフルエンザウイルスの株は1日3回分裂し、その過程でさまざまに変化していきます。数カ月先には新型インフルエンザが変異して強毒性に変わ る可能性があります。実際、1918年に日本国内で40万人以上が死亡したスペイン風邪は、春より秋以降に被害が拡大しました」
●いま考えうる最悪のシナリオとは?
「怖いのは、アジアを中心に250人以上が死亡した強毒性の鳥インフルエンザウイルスが、いまの新型インフルエンザの影響で、ヒトからヒトにうつ る新型に変異することです。今回の新型インフルエンザは、豚インフルエンザウイルスが変異して、ヒトに感染するようになりました。豚は鳥とヒトの両方のイ ンフルエンザにかかるため、今回の新型と鳥インフルエンザウイルスが、豚の体内で混ざり合って変異する可能性があります。鳥インフルエンザにかかった人間 が、新型インフルエンザに感染、ウイルスが変異するかもしれません」
●新型ワクチンが開発されたら大丈夫なのか?
「ワクチン開発から接種までには5カ月以上かかります。新型インフルエンザワクチンは通常の季節性インフルエンザワクチンと並行して生産するとみ られていますが、絶対量の確保は難しいかもしれません。しかも現時点での新型インフルエンザに効いても5カ月後に効く保証はありません」
●個人でできる新型インフルエンザ予防策は?
「ウイルスを付着させない、運ばないという意味で手洗いは有効ですが、うがいやマスクは有効とはいえません。ウイルスは人の粘膜に感染して10分 で体内に侵入します。うがいで防ぐのは無理です。マスクも感染者の飛沫(ひまつ)を防ぐには有効ですが、完全に予防できるという証明はどこにもありませ ん。マスクしているから人の集まる場所にいても大丈夫ではなく、そもそも人の集まるところに行かないよう心がけるべきです」
ゲンダイネットより
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